ソフトテニスはダブルスが主流です。勝つためにはペアと相談し、どうすれば試合を優位に進められるか考えなければいけません。
しかし、実際の試合ではペアがミスした後に、明らかに不機嫌になる選手もいます。態度で示したり、暴言を吐いたりという場面も見られます。
こうなると話し合いどころではなく、お互いイライラしてミスを重ねるだけです。
「知っておきたい!応援のマナー」の記事でも触れましたが、ペアのモチベーションを下げるような声掛けは好ましくありません。
今回は、ペアへの声掛けを考えていきます。
目標は「勝つこと」
まず、試合での目標は「勝つこと」です。勝つためには自分が持てる力を出し、ペアも力を出せるような環境づくりが必要です。
お互いのミスに対して、厳しい態度で接することは「勝つこと」を考えれば好ましくありません。「何でミスするんだ!」と強い口調で言っても、ペアは萎縮してミスが重なるだけです。
試合後に、悪かった点を振り返りお互い議論するのは構いませんが、試合の途中でいがみ合うメリットはありません。
ペアへの不満ではなく、戦術を話す
ミスをしたポイントを問い詰めても、そのポイントは戻りません。それよりも、少しでも優位にプレーできるような状況をつくりたいものです。
「何でミスするんだ。」「ちゃんとやれ。」といった言葉は自分自身の不満です。ペアがミスしたことや自分の思うようなプレーをしてくれないことへの不満です。
しかし、自分自身の不満を話したところでペアのプレーが変わるわけではありません。試合後は感情で話すことも大事ですが、試合中は好ましくありません。
「不満」の代わりに「戦術」を話し合いましょう。
例えば、「ファーストサーブを入れよう!」とか「シュートよりロブを多くしよう!」といった簡単な戦術で大丈夫です。
または、相手に対しての攻め方を話します。「後衛のバックを狙おう!」とか「前衛のローボレーを狙おう!」といったことです。
こうした話題であれば、お互いの不満ではなく、勝つための共通理解になります。感情をぶつけて、不満を言っても状況は良くなりません。
自分のできることを伝える
ペアの調子が悪いときは、相手を責めるのではなく、自分が頑張ることもできます。
後衛であれば前衛の得意な展開で勝負したり、前衛であればポーチを早めにしたり、スマッシュを追いにいったりします。
自分自身が思うようなプレーができないことがあるように、ペアを自分の思う通りに動かすことは困難です。
「勝つためにはミスを減らして、ポイントを増やす」の記事で書いたように、ソフトテニスはミスを減らすスポーツです。こちらのミスを減らし、相手のミスを増やすことで得点を重ねていきます。
感情的にペアを罵っても、悪い状況はさらに悪化するだけです。ペアの調子が悪いのならば、自分ができることに集中して、何とか得点を重ねていきます。
ペアを変えるよりも自分の考え方や攻め方を変えるほうが簡単です。
ペアの仲が良い必要はない
ペアでお互いに言いたいことを言ってしまうと、仲が悪くなってしまうという話も聞きます。しかし、どんなに仲良しのペアでも勝てないとソフトテニスは面白くありません。
「ソフトテニスのペアの決め方。3つのポイント!」でも触れましたが、自分の希望通りのペアと組めることはほとんどありません。
お互いの長所を活かし、弱点を補い合いながら戦っていくわけです。2人で勝つために協力することは大事ですが、必ずしも仲良しである必要はありません。
ペアへの声掛けのまとめ
どんな事情であれ、試合の途中でペアを変更することはできません。どちらかの調子が悪くても、お互いの足をひっぱるような声かけは避けなければなりません。
間違っても感情的にペアのミスを追求するような言動は避けなければなりません。「勝つため」という目標を忘れてしまえば、自分達の不満をぶつけ合うだけで試合は終わってしまいます。
ミスを責めるのではなく、そのミスを受け入れて、「じゃあこうしていこう!」という前向きな声掛けが粘り強い、負けないペアに繋がっていきます。