指導をしていると子供達が思うように成長しないこともあります。当たり前ですが、指導者の予想通りに子供たちが成長するわけではありません。
中学校の3年間における指導のポイントを考えます。
3年間の流れを押さえる
中学校の3年間を1年、2年、3年と学年毎に分け、何を目指すのか長期的な視点で子供たちに指導することが大切です。
初心者から始めた1年生であれば、基礎的な技術の習得とソフトテニスを好きになることを重要視します。
ソフトテニスが好きでないと、長時間の練習は苦痛でしかありません。好きだからソフトテニスを頑張れるという意識を根付かせたいです。
2年生になれば、3年生と多くの試合をさせて、仮に勝てないとしても、強い相手と戦い経験を積むようにします。
3年生が引退するまでの間に、2年生には悔しい思いを味わって欲しいです。ここでの悔しさが、3年生の引退後、自分たちの代になった時の成長に大きく関わってきます。
2年生の秋から3年生の夏にかけては、各種大会や練習試合に参加し、最後の夏の大会でベストを尽くせるような指導をしていきます。
長期の目標を設定する
1年間を通じて、各種大会や練習試合で常に良い結果を出せれば最高ですが、なかなかそうはいきません。
指導者としては各種大会での成績に一喜一憂するのではなく、最終的な目標に向けて子どもたちが正しい方向に向かっているかを見極めることが大切です。
最終的な目標は8月に行われる全国大会(全中)への出場とその舞台での活躍です。
もし、全中に出場できないとしても、ブロック大会や県大会で一つでも多く勝てるように指導していくことを重視します。
もちろん勝ちたい大会もありますが、ここで負けても夏に勝てれば良いと考え、長期的な視点は忘れないようにします。
顧問の先生との連携
3年間指導していると顧問の先生が途中で変わることがあります。
顧問の先生によって指導方法や部活に対する考え方が異なりますので、子供達はもちろん外部指導者もその変化に戸惑うこともあります。
練習時間が短くなったり、対外試合が減ることもあります。しかし、顧問の先生が変わったからといって自分たちの目標が変化するわけではありません。
高い目標を掲げて、日々の練習に取り組ませることが重要です。
保護者との協力
保護者の協力によって部活動は成り立っていますので、保護者の意見は貴重です。
協力してもらえることは遠慮なくお願いするのですが、実際の試合で戦うのは子供達だという思いを共有することが大切です。
例えば、大会当日に睡眠不足で力の出せない選手がいます。睡眠を十分取らなかったことで、動きが悪く、練習通りのプレーができません。こんな経験をすると子供たちは反省し、同じことを繰り返さないよう学習するものです。
しかし、保護者が何から何まで準備したり、口を出してしまうと成長の機会が失われることもあります。
保護者の協力が過度にならないように、あくまで子ども達が主体で活動できるような環境づくりを意識します。
中学校3年間の指導ポイントのまとめ
子ども達が上手くならないと自分の指導力不足を痛感します。何より、子ども達自身が成長を実感できないと楽しくありません。
子ども達には、「昨日より下手にはならない。」と伝えることがあります。継続は力なりという言葉の通り、毎日練習に取り組んでいる限り、必ず昨日よりは上手くなっています。
最後の夏の大会で活躍するという大きな目標を立て、長期的な視点で継続して指導を続けていくことが求められます。