5月に入り、中学1年生も部活動に参加するようになっています。ソフトテニス部に入り、早く上手くなりたいと思っている1年生も多いはずです。
しかし、学校の事情でほとんどコートに入れず、ボール拾いや素振りばかりやっている1年生もいます。1年生はこの時期に何をやるべきか考えたいと思います。
先輩が優先なのでコートを使えない
私の中学時代を振り返ると、当時ソフトテニス部は3年が20人、2年が25人、1年が20人くらいいて、全部で60~70人程度の部員数でした。
コートは2面しか使えなかったので、70人が同時に練習することはできません。3年生は7月に最後の大会が迫っており、どうしても3年生や団体メンバーがコートを優先して使用していました。
1年生はコートを使えないので、校庭を走ったり、筋トレをしたり、素振りをしたりとボールを打つ練習はほとんどできませんでした。
学校ではボールを打つことができないので、部活が休みの日に公営のテニスコートを予約して、練習していました。
なぜ1年生はボールを使った練習ができないのかと不満もあったかと思いますが、伝統?なので特に顧問や先輩にも改善を訴えることもありませんでした。
石の上にも3年。ボール拾いと素振りも3か月。
時を経て中学生を指導する立場になると、今も多くの学校で1年生は素振りや球拾いばかりでボールを打たせていないことが分かりました。
「ソフトテニス指導者へ3つの指導ポイント」でも触れましたが、初心者指導は最初が肝心です。ソフトテニスを始めた子ども達は素振りやボール拾いよりもボールを打つことのほうが楽しいに決まっています。
しかし、つまらないボール拾いも我慢して続けることに意味があるという日本人の我慢の美徳も含まれているのかも知れません。あるいは体育会系にありがちな顧問や先輩の言うことは絶対だという雰囲気もあるのかも知れません。
依然として3年生が引退するまでの約3カ月を素振りとボール拾いで過ごす中学1年生はなくなりません。
先輩と一緒にボールを打たせる練習をする
実質2年半しか中学校での部活の期間がないことを考えると、最初の3カ月を素振りとボール拾いで終わってしまうのは非常にもったいないことです。
「部活動と練習時間」でも触れましたが、部活動の練習時間は減少傾向です。
特に小学生からソフトテニスを始めたジュニア出身の選手に追いつくためには、3年半を効率的に練習していかなければなりません。
そう考えると少しでも早くサーブレシーブを覚え、フォアストロークで数回のラリーができるくらいの技術を身につけさせたいです。
そのためには手投げ練習でも良いので、初心者の1年生でもできる簡単なボールを打つ練習等から取り組むのも良いと思います。「手投げの練習効果」でも触れましたが、指導者がいなくても手投げ練習ならできます。
1年生も楽しめる部活にしよう
子どもの数が少なくなり、廃部になる部活動も増えています。中学生に人気のソフトテニスですが、昔ながらの考え方ではソフトテニスを始めようと思う子どもも少なくなってしまいます。
高校野球では坊主を強制せずに活躍している高校もあるようです。
参照:ハフポスト「青春ストーリーを、大人が勝手に作っている」坊主文化や球数制限で揺れる高校野球、慶應高の監督が指摘
ソフトテニスも今までこうだったからという理由ではなく、現状を見直し常に改革をしていく意識が必要なのだと思いまう。
ボール拾いだけをさせるという伝統も見直し、1年生も楽しめる部活動にしていかなければなりません。