部活動の顧問は、ある競技の経験者が必ずその部活動の顧問になるわけではありません。そのため、先生は全く知らない競技の部活動の顧問になることもあります。
このような場合、顧問の先生が直面する悩みは、自分では実技ができないということです。
顧問の先生に限らず、外部指導者や保護者も自分で見本は見せられないが、子ども達に指導をしている人もいると思います。
指導者はソフトテニス経験者でなくてはいけないのでしょうか。
実技ができない指導者の悩み
ソフトテニス経験者でない指導者の悩みとして、「こういうプレーをして欲しいが、自分ではそのプレーができない。」ということがあります。
私自身、ソフトテニス以外にサッカーや野球などの経験はありますが、全くやったことのない競技の実技を見せるのは難しいです。例えば、ラグビーの実技を見せてくださいと言われても困ってしまいます。
また、ソフトテニス経験者であっても、自分が教えたいプレーをできないこともあります。
ソフトテニス部に所属していたが、後衛なのでボレーやスマッシュは苦手であったり、前衛だったのでストロークは苦手だったりします。
こうした場合、どうしたらよいのでしょうか。
ソフトテニス経験者でなくても指導はできる
「やってみせ 言って聞かせて させてみて 誉めてやらねば 人は動かじ」
人を動かそうと考えるのならば、最初にやってみて、言って聞かせて、やらせてみて、褒めてあげないと人は動かないという山本五十六の言葉です。
ソフトテニス経験者でない指導者が、「やってみせ」ができないのに、子ども達を動かすことはできないと考えてしまうのは早計です。
自分でできなければ誰かにやってもらう方法があります。例えば、部活内で模範となるような生徒に実技をやってもらい、解説だけする。またはトップ選手の動画を見せて、ここが良いと伝える。
こうすれば、自分自身で実技を見せる必要はありません。自分が見本を示せなくても、子ども達が良いイメージを持てればよいのです。
自分でできなくても競技の特性を理解していることは必要
競技経験がなくても優れた指導者はたくさんいます。こうした指導者に共通するのは、ソフトテニスのことをよく知っているということです。
よく知っているというのは、ソフトテニスという競技の特性を理解して、それに合った指導を実践されているということです
以前、私が関わった指導者の方は卓球の競技経験が長く、ご自身でもプレーをしている方でした。テーブルテニスと言う位ですので、テニスと卓球の共通点はたくさんあります。
ボールを打つまでの準備の時間の大切さ。シーソーゲームになった時はどう考えるか。攻めるだけでなく守りの重要性などです。
卓球ではカットマンという攻め方があり、ドライブボールで攻めるばかりではなく、カットで我慢強く守りながら好機を狙うという戦略があります。
卓球におけるカットがソフトテニスにおけるロブだと考えるならば、ロブだけを打ち続けるという戦略もあるでしょう。実際にインドアの大会でロブだけしか打たない学校もあったようです。
また、ソフトテニスの動作は野球などのボールを投げる動作と共通点が多くあります。
テニス経験者でなくても、野球経験者であれば、ボールを投げる動作とサーブの動作が似ているからこういう動きが良いと気づくかも知れません。
ソフトテニス経験者であると、グリップはこれ、攻め方はこれと無意識に今まで教えられたことや自分で学んできた固定観念に捕らわれがちです。
しかし、ソフトテニスの決められたルールであれば、どんなボールでも、どんな攻め方でも良いのです。
ソフトテニス経験者でない指導者だからこそ、経験者には思いつかない指導があるはずです。
指導者はソフトテニス経験者でなくても良いのまとめ
子ども達に指導していると自分ではできない技術を身につけさせたいことがあります。自分でできないことを伝えるのは難しいのですが、今はYouTubeなどの動画配信があります。
自分で実技ができなくても出来る人の動画を見せたり、誰かに代わりにやってもらえば良いわけです。
指導者がソフトテニス経験者であるかどうかは全く問題ではありません。指導者が子ども達のために何を伝えたいかが重要です。