ソフトテニスの練習では、ボールを打つ人だけでなく、練習する選手に向けてボールを出す人も重要です。普通はラケットでボールを出しますが、手投げでボールを出す方法もあります。
手投げ練習のメリット
1つ目のメリットは、決まった位置にボールを出すのが簡単だということです。
例えば、1本打ちなどの基本練習を行う際、決まったところにボールが来なければ、打ち返す選手も良いリズムで練習ができません。
打点がバラバラになり、体勢が崩れたりすれば、技術の向上も遅れてしまいます。
初心者の中学生やテニス経験のない顧問の先生・保護者にとってラケットでボールを出すのは大変です。しかし、子ども達には良い練習をさせたい…。
そんな時こそ、手投げ練習は大きな効果を発揮します。手投げであれば、同じところにボールを出すのは簡単です。
ボールを出すタイミングさえ間違えなければ、練習する選手にとっても決まったところに来る手投げのボールは良い練習になります。
また、2つ目のメリットは、少ない時間で多くのボールが打てることです。手投げの練習だと打ち返す選手に近い距離からボールを投げることになります。
そのため、ボール出しのテンポを上げることによって、少ない練習時間で多くのボールを打つことができます。
手投げ練習であれば、練習人数が多くてもスペースを取らずにたくさんのボールが打てます。ラケット出しだと待ち時間が長くなり、待機している選手は集中力が切れやすくなります。
3つ目のメリットは風が強くても効率的な練習ができることです。
ソフトテニスは風の影響を大きく受けます。練習でも風が強いとボールが変化してしまい、上手く打ち返すことができません。
強風で試合が中止になることはほとんどないので、風がある中でも練習しておく必要があります。
しかし、技術が伴わない状態では、強風の中でしっかりとしたボールを返球することは困難です。手投げでボールを出すことで、風の中でも決まった位置にボールを出すことができます。
手投げ練習のデメリット
メリットの多い手投げ練習ですが、もちろんデメリットもあります。
まず、ボール出しのタイミングが難しいということです。ソフトテニスでは構えて打つという動作を繰り返しますが、この「構え」が非常に重要になります。
構えるのが遅いと、どんなに綺麗なフォームでも振り遅れてしまいます。手投げでボールを出すタイミングが遅すぎると、選手にとっては余裕がありすぎて、構えが疎かになってしまいます。
全員に同じタイミングでボールを出すのではなく、上手な選手には少し早めのリズムで出し、そうでない選手には遅めのタイミングでボールを出します。
つまり、選手によってボール出しのタイミングを変えていくことが必要です。この絶妙なタイミングでボールを出すことが、手投げの難しい点です。
また、手投げの練習は単調な練習になりやすいというデメリットもあります。。
一本打ちでも同じ所にボールを出すのではなく、少し遠いところにボールを出したり、狙うコースを変えたりして、飽きないような工夫が必要になります。
手投げ練習のまとめ
手投げ練習は、たくさんのボールを連続で打つことが可能ですので、初心者の選手にとっては特に有効です。
例えば、手投げのボールを連続10球で打たせて、何本コートに入るか数える練習を毎日します。
単純な練習ですが、日々練習することでコートに入る本数が増えていき、自身の成長を自分でも実感できます。
つまらないと思われがちな手投げ練習ですが、とても奥が深く、工夫次第で面白い練習方法になると実感しています。