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ベンチコーチのポイント

ソフトテニスのルールにはチェンジサイズがあります。

奇数ゲームが終わった後、そしてファイナルゲームでは、最初の2ポイントとそれ以降4ポイント毎にお互いのサイドを交換するルールです。

チェンジサイズの際、指導者は選手にアドバイスを行うことができます。チェンジサイズは水分補給などの休憩を含め1分以内と定められていますので、短い時間で選手に何を伝えるか考えなければなりません。

このチェンジサイズ時の選手への助言のことを「ベンチコーチ」と言います。今回はこのベンチコーチを考えていきます。

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ベンチコーチでは怒らない

ベンチコーチで何を選手に伝えるか考える前に、まずは怒らないことが大事です。

そんなことは当たり前だと思うかもしれませんが、選手に対して強い言葉で責めるような指導者もいます。

「なんでミスするんだ!」「サーブを入れろ!」など命令口調の厳しい言葉でアドバイスをします。

指導者としては普段の練習を見ているからこそ、本番での不甲斐ない姿にイライラしてしまい、つい怒鳴ってしまう気持ちはわかります。

しかし、選手は勝ちたければ勝ちたいほど、 本番の試合で緊張してしまうのは当たり前です。本来持っている力が出せないことも多いです。

こうした選手にとっては、試合中に厳しい言葉をかけられても、 萎縮してしまうばかりで良いプレーができるはずがありません。

これでは選手を勝たせるためのアドバイスではなく、選手を負けさせるようなアドバイスをしているのと同じです。

もし、厳しい指導をするのであれば、試合が終わった後にするべきです。間違っても試合中のベンチコーチでは冷静な声かけをしなくてはなりません。

どんなに不甲斐ないプレーであっても、勝負は最後まで分かりません。ベンチコーチをすることで選手のモチベーションを下げてしまうことは避けなければなりません。

普段の練習で出来ていないことは言わない

ベンチコーチで何を言おうか考えると、どうしても技術的なことを選手に伝えたくなります。

例えば、 「もっと高い打点で打ってミスを少なくししろ」「 トスを高くしてファーストサーブを入れていけ」などと選手に伝えてしまいます。

しかし、 普段の練習で高い打点で打てない選手に対して高い打点で打てというアドバイスは無理があります。

伝えられた選手がすぐにその技術を身につけたり、改善できれば良いのですが、普段の練習で出来ていないのならばやれと伝えても出来るはずがありません。

もし、その技術を身につけさせたいのであれば、試合後に今後の課題として伝えた方が効果的です。わざわざベンチコーチで伝える必要はありません。

試合当日に細かい技術的な指導をしても手遅れです。普段の練習で細かい技術指導を行い、試合当日は勝負にこだわります。

試合は練習の成果を発揮する場であり、技術習得の場ではないことを意識しておかなければなりません。

勇気づける言葉をかける

それでは、勝ってていても負けていても選手が欲しいアドバイスとは何でしょうか。

それは自分を勇気づけてくれる言葉だと思います。選手にとっては自分を応援してくれて、一緒に戦ってくれるような指導者や保護者の応援が一番大事です。

勝敗はどうあれ、今持てる力を選手が発揮できるようなアドバイスを心がけなければなりません。そのためには複雑のことではなくシンプルなことを言うのが良いと思います。

例えば、「いいボールが入っている。」「このまま攻めて行けば良い。」「いつも通りのいい動きができている。」などの言葉です。

もちろん負けている時には、このままで良いとは言えませんが、「まだまだこれから。チャンスはある。」といった前向きな言葉をかけていきます。

選手の調子は良いのに、上手く攻めていけない時は、戦術的なことを伝えることもあります。ただし、戦術的なことを伝えるにしてもシンプルにします。

例えば、「相手前衛は後衛より技術が劣るので狙っていこう。」「相手後衛は走って打つのが苦手だから、中ロブで動かしていこう。」などできるだけ分かりやすい言葉で伝えます。

選手にとっては2個も3個もアドバイスを受けても実際の試合ではすぐにそれを実行できません。シンプルな言葉を選手たちに伝えることが最も重要なことだと考えます。

ベンチコーチのまとめ

繰り返しになりますが、指導者によっては喝を入れる意味で大きな声を出しベンチコーチを行います。

しかし、強い言葉で選手を責めても、萎縮するばかりで指導者に怒られないためのテニスになってしまいます。

指導者のベンチコーチなどなくても、選手たち自身が 自分たちで考え、試合の状況に応じたプレーができることが理想です。

もし、子供たちが試合中に普段の力を発揮できないとすれば、 その原因を探し普段の練習で指導を行うことが指導者の役目です。

試合当日だけ厳しい言葉をかけ、力が発揮できないのを子供たちの責任にするのは避けなければなりません。

自分自身の力のなさを子供たちに責任転嫁しないように指導者は意識しておかなければなりません。私自身もこのことを肝に銘じて指導していきます。

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