先日、世界選手権が開催され、男女団体アベック優勝という素晴らしい結果でした。
開催地に行き実際に自分の目で見たいのですが、海外の試合を見に行くことはなかなかできません。世界大会であってもネットで試合の様子を配信してくれる方がいて、ありがたい限りです。
さて、国内の中学生に目を向けると10月は各地で新人戦が行われました。3年生が引退して、2年生となり初めての大きな大会です。
毎日の部活動で充実した練習ができれば良いのですが、指導者がいない為に、満足のいく練習ができない学校も多いようです。
そんな中、部活動指導員の活用が広がってきています。
「部活動指導員と外部指導者の違い」の記事で部活動指導員について紹介しましたが、顧問の先生が不在でも各種大会等への引率ができ、単独での指導もできます。
制度が始まってからの動向を見てみると、今後の部活動に不可欠な存在となっていくかも知れません。
部活動指導員の活用状況
平成29年4月1日に導入された部活動指導員制度ですが、どの程度活用されているのか現状を確認します。
公益財団法人日本体育連盟が行っている加盟校調査集計という調査があります。この項目の中に「部活動指導員数」が掲載されています。
平成30年度のソフトテニスにおける部活動指導員数は、106人(男女合計)となっています。各都道府県の数値を見ると全く活用していない県もあります。
しかし、令和元年度は、372人(男女合計)と平成30年度に比べ3倍以上となっています。
調査ではソフトテニス以外の競技の活用状況も載っています。令和元年度のソフトテニスを含めた19競技の部活動指導員の合計は3,642人となっています。
部活動指導員増加の背景
なぜ、部活動指導員の活用が進んでいるのでしょうか。それは、働き方改革の一環として部活動指導員の活用が文科省の施策として挙げられているからです。
平成31年3月27日に成立した2019年度文科省予算によると部活動指導員について以下のように書かれています。
・2019予算額 10 億円(前年度+5億円)
・配置人数目標 9,000人(前年度+4500人)
・配置校数目標 3,000校(前年度+1,500校)
予算額を前年度の倍にして、配置人数と配置校数も倍にしようと計画していることがわかります。
部活動指導員活用の条件
国の予算が確保され、今後は各自治体で部活動指導員を募集することが予想されます。しかし、部活動指導員はどんな学校も希望すれば活用できるわけではありません。
国の規定では部活動指導員を活用する場合、市町村が3分の1の費用を負担します。市町村の費用負担が増えてしまうため、採用を躊躇することも考えられます。
また、部活動指導員を活用したい学校にも条件があります。それは、スポーツ庁の定めたガイドラインを遵守していることです。
このガイドラインには、週2日以上の休養日を設け、1日の活動時間は長くとも平日では2時間程度、学校の休業日は3時間程度とすると記載があります。
つまり、1年に数回しか休みがないような学校は部活動指導員を活用することはできません。ガイドラインを守り、効率的な部活を行っていることが条件となります。
まとめ
教員の働き方改革の施策として始まった部活動指導員制度ですが、成果が出れば今後も活用が進んでいきそうです。
顧問の先生はソフトテニスの競技経験がなくても、部活動指導員を活用し、技術的な指導を任せることができます。
また、子ども達にとっても顧問の先生には聞けない技術的な指導を受けることができ、自分達のやる気次第でより充実した部活動にすることも可能です。
今後も部活動指導員制度の動向を注視していきます。